整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

事故の責任は当事者だけ?


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    おりからの整備士不足でやっと面接したのは22歳独身、資格は仕事をしながら取ってもらうとして新人従業員の整備経験はほぼないので主な仕事は、納車・引取・洗車にクイック、車検手入れまでをしてもらっていた。

 

 相談は、車検が済んだ車を納車するために他の従業員と工場を出ていったそのすぐあと、工場と目と鼻の先でこの新人が軽微な追突事故(当然相手がある)をおこしたことに端を発するという。

 

   双方にけがはなく、事業者は車検を実施した車のユーザーにすぐ謝罪の電話を入れて、状況と損傷具合を連絡。
 修理後納車させてもらうということでなんとか了承してもらえた。

 事故相手も弊社と少なからず縁のある人だったので平身低頭お詫びをし、事なきを得たというが、どちらの車も弁償はしなくてはいけない。

 

    修理に関して事業者は、受託者保険に入っていたのでこれで問題はほとんどなくなったと思っていたところ、警察の事情聴取中に新人従業員が「免許証の住所を変更していないので(遠方の)実家に免許証を置いてきたままだ」という説明をした。

 

 今頃、何を言っているのかと思い、警察の事情聴取中ながら「何ヶ月も免許証不携帯か!」と声を荒げてしまった。とにかくすぐに送ってもらうよう指示したところ、「実は免許証を失くした」と、今言ったこと(置いてきた)が翻った。

 

    失くしたのなら再発行してもらえばいい。

 「で、いつ失くしたのか」とついつい声が荒くなっていった。

 ところが再び「実は(免許証を)失効させた」とさらに内容が変化した。

 失効?『免許証の失効』と『紛失』と『置いてきた』とではそれぞれ意味が違う。

 

 これだけ言っていることが二転三転するとひょっとしたらという疑問が出てくる。
 そこで、「本当のことを言え!」といったら、無免許を白状した。

 (調べればすぐにわかることをなぜ嘘をつくのかとは思ったらしい)

 

 しかし、この新人従業員は通勤に毎日車を使っていた。それなのにまさか無免許だったとは。想像もしなかった、と。

 

 弊社が聞きたいのは『損害賠償』のことだが、入社して間もない従業員が無免許であったなら受託者保険は免責になる可能性がある。

 任意保険に加入していたとしても(この時点で保険の加入確認はしていない)、就業時間内の納車業務なので他車運転特約は使用できない。

 修理代金が保険で対応できないなら『虚偽の申告』をした新人従業員に修理代金を支払わせたいと思うがどのようにしたらいいか、というもの。

 

 掲載して1ヶ月が過ぎたので続きは以下に移動しました。

 

 

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