整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

対物超過特約での駆け引き

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 弊社顧客が交差点内で斜め後方から追突されるという物損事故に遭った。
 その時の状況を聞く限り、過失割合は10:0だと思ったが、警察、保険会社、相手の4者で話し合った(警察は顧客が言っているだけだと思う)結果、相手過失が9、弊社顧客が1という内容で合意したらしい。

 過失割合がなぜそうなったのかはわからないが弊社顧客の修理は弊社が行うことになった。

 乗り換えも視野に入れていた顧客だが「愛着も慣れもあり、直して乗りたい」と言うので修理することになったものの、修理見積りを行うと車両評価額を10万円程超えることがわかった。

 相手が対物超過特約に入っていればいいがと思い、その確認をしてから作業に掛かることにして連絡を待った結果、相手は対物超過特約に加入していた。

 そこで作業を始めようとしたのだが今度は相手から『条件によっては対物超過特約は使わない』という連絡が入った。

 条件?多少訝しんだが、その条件を聞くと「私の保険(対物超過特約)を使いたい(許可を得たい)のなら過失割合は8:2で調停してもらいたい」という条件を提示し、横車を押し始めた。

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