整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

つないだだけだというけれど

 自分がした失敗の数も多いが、それ以上に驚くようなことを平気でいう(する)ユーザーもいた。

 クルマは購入したが、それ以降の付き合いがなかったユーザーから「エンジンがかからなくなったからすぐ来い!」という怒りの電話があった。

 ものには言い様がある・・・と言いたい気持ちをグッと堪え、取るものも取りあえず20km以上離れたユーザー宅へ。
 到着してすぐ、バッテリーかなと。

 クランキングせず、ボンネットを開けるとバッテリーのターミナルと給水口が白い粉で覆われ、内部をみると鉛板が露出していた。

 点検の有無を確認したところ、検査は受けているというが、どごで受け、何をしたか聞いても答えない。おそらく、当時流行った『名前だけ』ユーザー車検を受け続けたなと容易に想像できた。

 エンジンがかからなくなったのは自業自得だが口には出せず、とりあえず、水を足し、バッテリーを外して掃除をしたあとブースターケーブルを繋いでクランキング。

 エンジンは始動した。しばらくエンジンをかけていたら、キーをオフにしても再始動する。意外にも復活したよ(笑)でも『バッテリーの交換』は勧めた。しかし、「今度ダメになったら」という一言があり、あっさり引き下がって今回の支払い方法を尋ねた。

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