整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

ルール破りが信用失墜

 女性ユーザーから

 

 自損事故の修理に預けたらしく、修理期間は約1ヶ月。

 車両保険には入っていたそうですが 代車費用特約 には未加入だと。

 

 「使用するときだけなにか代車があれば」とは思ったが、そんな都合の良い話が出来るわけもなく、仕事や子供の送り迎えはレンタカーやタクシーでやりくりした。

 

(ここですでにもやもやしたものがあったのだろう)

 

 

 

 修理が完成したと連絡があった時に、納車日と納車時間を朝10時に決め、納車の日は13時から仕事を入れ、車で行く段取りをしたという。

 

 ところが納車日、正午を回っても納車されず、遅れるとの電話の一本もなかったので

 

 12時過ぎに工場へ電話。

 

   すると、今、納車に向かった といわれたそうな。

 

 「はぁ~?」 この取ってつけたような返事に激怒。

 

 結局、13時からの仕事には間に合わず、仕事先の先方に平身低頭の平謝りをした相談者。怒りの持って行き場のないことからこちらに電話。

 

 「私が約束を守れなかったのは整備事業者が約束時間を違えたからで私は悪くない!」 と。

 

 ・・・ごもっとも。

 

  担当者も謝罪ではなく、言い訳ばかりしたらしく、それがユーザーの逆鱗に触れ、「女性だと思ってユーザーを軽んじている」と怒り心頭。

 

 

 話を聞いていると確かに時間を守らなかったのは社会通念上、事業者側に問題があり、相談者に落ち度はない。

 

 担当者も謝罪せず、言い訳に終始したのなら非常識でもある。

 

 そこで、「納車時間に遅れたことをユーザーが怒っていること伝える」と相談者に伝えると、相談者は、

 

「今後も世話になるつもりで謝罪があれば不問にする」

 

と言ってくれた。

 

 当該工事業場に連絡し、「一度謝罪した方がいい」という提案をしたところ、

 

「納車時にそのユーザーから苦情は受けなかった」

 

 とまるで他人事。

 

 ここらあたりが今回のユーザーの不満になっていると思われるが、伝えるのは伝えたので、後は事業場の問題。

 ここで相談を終えました。