若い時は『整備が出来る(作業が早い)のがいい整備士だ』と思っていた。
そこそこ年を取るとそんな生意気さも影を潜め、あるとき、70年配の自動車整備事業者のおやじさんと同席した。
その時の話だが、親父さんとは30歳以上年が離れていたので音楽の話も食べ物も、それこそ自動車の話でもあわなかった。
隣席でこれはなかなかつらいのでなんでもいいから話題を探した。
それが『レタス』なんだが。
「今は何を植えてるんですか?」と農業の話ならと思い、聞いてみた。
すると「今はレタスだな」と。
「おやじさん、レタスって何月に穫れるん?」・・・と農業のことは全く知らないくそ生意気な当時の俺が聞いたら、「お前、そんなことも知らんとよう自動車屋に勤めとるな?」と言われた。
「いや、おやじさん、自動車の整備にレタスは関係ないんやないの?」というと、「ここらで自動車屋をするのにレタスのことを知らずに商売は出来んぞ」と。