整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

亡くなった方の車引取 ①

 

 

    入院していた方が病院で亡くなり、その家族から、 「故人が放置したま

まの軽自動車を病院の駐車場から引き揚げて廃車にしてほ

しい」 という依頼がありました。

 

    家人は誰ひとり運転免許を持っていないらしく、所有者・使用者とも

故人の名義です。

 

    軽自動車は後々トラブルになることが多いので慎重に処理します。

 

 

 

まずは、・・・

・『故人が亡くなったことを証明する書面(死亡診断書等)』

・『家族と亡くなられた方とが記載されている戸籍謄本(相続権者の証明)』

・複数の相続権者がいる場合、『遺産分割協議書』等が必要です。

 

    相続の話は難しいのであまり詳しくかけないですが、一般論として、相続の手続きが済み、相続権者が決まってからなら後々のトラブルもほぼ避けられるかな、と思います。

 

    相続権者は一人でないことの方が多く、複数いる場合、遺産分割協議書を作製者します。

    相続権者が複数いるのに遺産分割協議書を作らず、『認印』で移転登録(俗にいう名義変更)の手続きが出来る軽自動車の名義を変えると、必ずといっていいほど後で揉めるので要注意です。

 

    相続では本当に何があるかわからないので私のような素人の一般論は軽く聞き流してください。

 

    私的には、元々その車が誰のものであったのか、整備事業者の知るところではないという状況を作っておけば問題が発生しにくいだろうという、素人考えで動きます。

 

    具体的かつ詳細な手続きを知りたい方は軽自動車協会等、専門機関、専門職に聞いてください。

 

    この相談依頼に関しては、相続権者が配偶者と娘さん一人だけでしたし、知り合いの弁護士に相続関係の相談を既にしていたので楽でした。

 

    そこでまずは、奥さんに同乗してもらって車を自宅まで移動。

 

 一応、相続手続きが済んでから廃車(実際は転売)にしました。

 

   転売するときは『リサイクル預り金の返却』と『転売した金額(オークション落札額から必要費用を除外)』を明確にして渡しました。

    こんなにスムーズに事が運ぶのは稀です。