整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

販売店の説明があやふやで

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 修理をしてくれた事業者の言うことがあやふやで困っているというユーザーからの相談。

 ユーザーの説明では「走行中に出力が落ち、そのままエンジンが停止して再始動しなくなった」らしい。
 そこでレッカー会社に連絡をし、提携整備事業者に搬入してもらったと。

 ここで修理を依頼するつもりだったが「水洩れが顕著で冷却水が入っていない。オーバーヒートしたようだが初度登録から15年、走行距離も30万kmになろうかというほどなので乗り換えた方がいいのではないか」というアドバイスがあった。

 それもそうかと思い、「家族と相談したい」と言ってその時は車を預けて帰宅した。

 数日後、家族と一緒にこの事業者へ行くと「エンジンが止まったのはオーバーヒートが原因だが水が洩れているのはウォーターポンプ付近だけだから交換すれば次の検査(半年ほど後)までは乗れる」と言われ、5万円程の見積り額が提示された。

 半ば買い換える気でいたが、車検までの半年で少し余裕も出来ることからウォータポンプを交換してもらった。
 ところがこの修理後、2週間ほど経って再びエンジンが止まった。

 作業をした事業者に診てもらうと今度は「エンジン載せ替えが必要だ」と言い、「中古エンジンに載せ替えてはどうか?」という提案があった。

 しかし、この提案に合点がいかない。

 少なくともウォーターポンプを交換すれば車検まで(冷却系統に)故障は発生しないと事業者に言われて修理を依頼した。

 中古エンジンに載せ換えても半年後には乗り換えるつもりだから二回目の同じ症状の故障修理でエンジンを載せ替えるのは無駄になる。

 そこで『廃車』を申し出たところ、『廃車費用』を請求された。

 オーバーヒートの再発もあり、その費用は支払った修理代金で相殺してほしいと依頼したが断られた。

 依頼した修理が再発したのだから再修理であり、無償で対応するのが当然。それが原因で廃車にするのだから無償再修理をしないのであればその費用は事業者が負担するべきではないか、というのがユーザーの言い分。

 

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