整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

日本茶 ⑧ 警察官に脅された?

 

    車検付きの中古車を購入したが走行中にボールジョイントが抜けた。

 車検を受けて納車されたのに、購入後すぐ、事故になりかけて、走行不能になった。

    事故をしていたらどうするのか?

    車検を通した国交省(陸運事務所?)にも

   

・車検で何を見たのか!

・整備記録簿がない。

・記録簿がないのに車検を通るのか。

・こんな事業者が車検をしていいのか。

・ダイヤルステッカーも貼られていない。

・売買契約書も受け取っていない。

・いい加減な事業場を取り締まれ!

・民事裁判を起こす

 

というような苦情を入れたらしい(どこまでが本当か)。

 

    「ダイヤルステッカー」は点検済みの証だが、点検はしたのですか?と聞いたら「車検を受けたのに“している”に決まっている」と。

 

    点検して記録簿の発行がないのはおかしいですね。「その店は車検整備をするのに国の許可を受けていますか?」

 

    「君は何を言っているんだ?事業を行っているのだから許可を得ているのが当たり前だろう」というが、ユーザーは確認はしていない。

 

    中古車は安いのがメリット。

    裏を返せば新車にはないリスクも抱えている。だから走行距離や登録後の期間を加味した整備を行い、その後、販売される…ことが多い。

    だから新車とは立ち位置が違う。同じ目線で話しは出来ない。

   

    ボールジョイントの抜けも同じで、ある程度走行するとありえる。だから事業者は走行距離等で交換等を提案する。それが予防整備。その作業を行うのに本来、国の認可が必要でその許可があるかどうか。

 

    記録簿未発行、ステッカーの貼付なし。

    許可があれば出来ることをしていないから「許可があるか」を聞いているのに、その前に『取り締まれ』とは。

    まずはその事業者に国の認可があるかどうか。認可があってそれらが未発行なら国交省(陸運事務所)も指導(取り締まりではない)するはず。

 

    自動車所有者として、民事裁判だのなんだのをいう前に、点検整備をどこで行っているのか、確認するべきことがあると思う。

 

    そういった中古車のリスクが嫌なら新車を買った方が良いのではないかと。

   

 

    それと「事故になったら」という“たら・れば”の話にはこたえられないし、責任も持てない、というと「俺は警察官だ。俺にそんなことを言ってもいいのか?」といった。

 

    「えっ!(っと大袈裟に驚いたあと)認可のない可能性がある事業者で車検をし、それを取り締まれといいましたよね?それを取り締まるのは本来警察ですが?所属とお名前をお伺いしていいですか?」というと、「いう必要はない」と。

 

    もし、警察の方でなければ身分詐称になりますが?録音もしていますけど?大丈夫ですか?あと、あなたの言った「俺は警察官だが・・・いいのか?」というのは恫喝にも聞こえますが?というと、いきなり電話を切った。

   

 相談者の知識レベルが本物の警察でないことはすぐにわかったし、警察はそんなセリフ、絶対に言わないと思う。