整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

ガソリンが減り距離が延びる

 

 修理(クレーム・点検・車検等)に出すたび燃料が減る。

 どうしたものかといろいろ調べていたら行きついた。まず、そちらで何が出来るか聞きたい。

 

 (女性だがかなり高飛車な感じ)

    こちらで出来ることの概略を説明。

 

 その後、滔々と事業者への不満を述べ始めた。

 話の流れと端々に出る文言や名称から対象となる事業場が所在地まで予想出来、車種もほぼ絞り込めた。

 ただ、電話番号が非通知なので迂闊なことは言えない。

 

 しかも話す内容、訴えてきている内容は、当方が知っている事業者だとすればあり得ない、耳を疑うようなことばかりだった。

 

 例えば、標題に書かれているようにガソリンが減る、では、修理等で預ける時は必ず満タン状態で出すらしいが、どのような修理(クレーム・点検・車検等)であってもガソリンの残量がそのままで戻って来たことはなく、1/4ほどに減って納車されたこともあれば警告ランプが点いていたこともあった、と。

 あるとき、満タンにしてトリップメーターを0kmにして出したところ、納車時のトリップメーターの指示は10㎞だったがガソリンは半減。しかし、オドメーターの示す距離はガソリンの消費量に見合うもの。

(ということは、納車前にトリップを0にした、ということをいいたいのか)

 

 その説明を事業者に求めたらしいが、あれこれ言い訳(?)をした挙句、「燃料を入れておけばいいのだろう」というような言い方をされた、という。

 

 ユーザーは1ヶ月に数10km位しか走行しないのにこの工場に預けた後だけ走行距離が延び、実際、ほとんどこの事業者が使っているようなものに感じる。

 

 また、タイヤ交換に出した時は、タイヤメーカーや速度カテゴリーまで指示したのに違うメーカーのタイヤであった上、速度カテゴリーもワンランク下のものが装着されていた。

 その時も苦情を言うと「こちらの方が安い」「お客様にとってこの方がいい」というような説明をしてきた、という。

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 他にもいろいろ話していたが、これらの話が本当で、そういったことを行っている事業場があるのが事実なら大きな問題にある。

 しかし、話には違和感も覚えた。

 

 例えば、女性ユーザーで速度カテゴリーの知識やこだわりを持ち合わせている人は少ないと思うし、そこまで知識があるのなら違うメーカーのタイヤが入っていて黙って納車させるはずがない、とも思う。

 

 そこで電話番号が非通知であることを問うてみた。

 すると「電話は東京からかけている」という。

 事業者は当県なので話がおかしい。

 

 対象事業場の経営方針にまでは口出し出来ないが、事実なら問題があるのでお客様に2~3質問したい。

 

 1ヶ月に数10km位しか走行しない東京の人が、なぜ関西地方でわざわざタイヤ交換や点検、車検をしているのか。

 もしここに嘘があるならここまでの話も全て架空の話に思えてしまうので本当の話をしてほしい。

 

 ガソリンが減ることは由々しき問題なので事業場に今の話を確認したい、というと「連絡はしないでほしい。弁護士を立ててその事業場と話をするつもりだ」といったので「弁護士を入れて話をするのなら私はこれ以上話は聞かない。あとは弁護士と話をして」といって電話を切ろうとしたら「とにかく事業場には連絡を入れないでほしい」といったので「相談者から許可がないと事業場に連絡することはない。

 

 当方はあくまでも公平中立公正に対処する、といって電話を終えた。

 

もちろん、事業者には電話をしていないが、話にウソがある場合、そこを正していくことから始めないと収集がつかなくなる。

    特にこのような話は、事業者の信用問題になるので、ユーザーの話を鵜呑みにしてこちらが下手なことを言おうものなら、大変な目に遭うことは自明の理である。