整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

一部のみ別の事業者で行えば


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 取引をしている部品商の元従業員(現在はその会社を辞めている)がオーバーヒートをさせてその車の修理を依頼してきた。

 

 車は輸入車で販売台数もそう多くない特殊な車なのでどこにでも依頼できない、ということで知り合いでもあり、気安い弊社へ依頼してきた。

 

 点検の結果、ヘッドガスケットの抜けがあり、オーバーヒートの原因かどうかわからないがラジエターの交換も必要(車が古いということもある)だと判断。
 ユーザーに概算見積書とともに現状を伝えた。

 

 ユーザーは、ヘッドガスケットの交換は依頼するとしてラジエターについては修理で対処したいというが、今まで勤めていた事業者の取引先(相談事業者も知っているが取引はないという)に自分でラジエターを持ち込んで修理を依頼すると言う。

 本来このような形はとらないが今もかなりの取引がある部品商の元従業員でもあり、断り切れずにラジエターの修理は本人が外注することになったという。

  (トラブルになる典型的なパターン)

 

 ヘッドガスケットの交換ではヘッドにもブロックにも歪などはなく、すぐに終了。

 ラジエターの修理待ちとなって車を預かっていた。

 

 ところが外注に出したラジエターがなかなか戻ってこない。

 そこでユーザーに「連絡を入れてみてはどうか?」と提案した(相談事業者が修理を依頼したわけではないので直接はしていない)ところ、ほどなく連絡があり、ユーザーが取りに行った。

 しかし、戻ってきたラジエターは取り付けのボルト穴がズレており、元の状態に取り付けられなくなっていた。 (どうやったらそんなことになるのか)

 

 ユーザーに状況を説明して苦情を言ってもらったが「弊社はきちんと行った。何も変えていない。責任はない」といわれたらしい。

 

 そこでユーザーは「このまま何とか取り付けて乗れるようにしてもらえないか?」と弊社に無理を押し付けてきたので、しかたなくホースの形は少々歪になるが取り付け箇所を新たに作り直して何とか取り付けてみた。

 

 修理は完了したがまだ納車はしていない。

 もしもこれが原因で何らかの故障・不具合が発生した場合、弊社は何らかの責任を負うのか聞いておきたいという、事業者からの『事前』相談。

 

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