整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

関係個所の同時多発故障から

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 「初めて入庫したユーザーとトラブルになっており、解決のためのヒントがほしい」という内容の相談が事業者からあった。

 

 トラブルになっており?…であれば話を聞くだけになる。それを事前に伝えてから話を聞いた。以下要約。

 

 入庫して来たのは一見の女性ユーザー。症状は「水温計が上がる」というもの。(一般的な女性ユーザーの訴えにしては妙に専門的でここに当方疑問を持った)

 事業者が各部を簡易点検すると、冷却水の管理が悪く、ラジエターホースの複数ヶ所から水漏れが認められた。

 

 交換した方がいい不具合箇所は多々あったが『急いでいる』『手持ちが少ない』とのことで増締めをし、漏れが止まらなかったホースだけを交換(了解を得て)した。

 

 修理が終わると試乗をするのが普通だが、今回は作業を急かされたのと、試乗に出ると会社に誰もいなくなってしまうことから「今回はあくまでも応急的な処置。普段の修理等を依頼している整備事業者に相談してキチンと修理して」とアドバイスをし、既定の料金を受け取って車を引き渡した。

 

 ところがこの後、1時間程経って「直したばかりでまた水温が上がった」となぜか男の人が烈火の如く怒って電話をしてきた。

 

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