整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

日本茶 ⑤ 不用意に預かった車

 平成24年の夏、「平成19年に 一度だけオイル交換をした」こ

とのある『平成12年式の車』に乗ったユーザーから連絡があり、「検査が切れて乗っ

ていけないので取りに来て車検をしてほしい」という依頼。

 

 

 それから 2年半 (この時、平成27年冬) 放置されたまま、全く連絡が取れない。

 

 車検は行っていない。

 なぜかというと、車検を依頼された時に

 

  「車検証と納税証明、印鑑は後で持っていく」

 

 といわれ (今思えばこの時に一緒にもらうべきだった) 車検証を預かっていない

から。(コピーはある)

 

 そのクルマは現在(平成27年冬当時)も会社敷地内にあり、対処方法(処分方法)を

教えてほしいと。

 

 

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     これは面倒ですよ。

 

 まずは、駐車料が徴収できるよう、今日からその車が敷地内にあることを証明すること。

(写真を撮って時系列に並べて保存)

 

    この時点で専門家に一度相談した方がいい。

 

 平成12年式の不人気乗用車なのでほぼ値段はつかないが、『鉄』ととらえてもタダというわけにはいかないので駐車料金相当額が、車両評価額程度になったら

 

 (どうせ支払いはないだろうから『車を処分して充当しますね』という体を作る)

 

 ・引き取りの通告書を作成し、同時に損害金(時系列に並べた写真で立証)の請求。

 ・引き取りのない場合、損害金を支払ってもらうため競売にかける旨通知

 ・これらの通知は内容証明郵便と普通郵便で送付。

 ・すべてコピーを取って保存。

 ・競売にかけ、自分で落札して廃棄処分。

 

  これが大筋(かなりの日数がかかるらしく、通常1年以上)の流れ。

  個人ではなかなか出来ることではないので最初から専門家(弁護士等)に委ねたほうがいい。

 

  自己競売の手続きはものすごく手間がかかるようで専門家から別途費用を請求されるかも、ですが。

 

    絶対に自分勝手な処分をしない。

 

 法的な対処をきちんとしておかないとあとからユーザーが現れたときに困る。

 

 車検証のコピーがあるならその車に合致するかも確認。

 

 なかなか デリケート。

 

  専門家対応とする指示と確約を取り、その後の成り行きを見守った。

 

 後日譚:弁護士対応としたけどほぼこんな感じの対応だったそうだが実際のところ、

     詳しいことはわからない。当たり前。弁護士は、言わない(笑)

 

 

    けど、事業者にはわかったことがある、それは・・・

        

    これほど無駄な費用はない 

    

                            ということ。

 

※ 結構ぼやかしが多いのは認めます(笑)が、あまり詳しく書けません。