整備事業者は普通、新車・中古車の販売も行う。
展示は…
新車ならショールーム。 中古車なら屋外、露天も少なくない。
中古車展示場は幹線道路沿いなどでよく見る。
展示場からクルマが 盗まれた! ではない。
もっと身近で、今日どこであってもおかしくないことなんだが。
中古車は『幹線道路沿い』に
『目立つ』車を
『アイキャッチャー』として
『広告塔』代わりに
『展示』している
そこに 車が飛び込んで来た!
これがまったく珍しい話ではない。
この事業者は、坂を上りきったところが緩やかな逆バンクになっているところにあり、展示車両は目を引く。
ただ、客観的にみても飛び込まれそうな立地には違いない。
しかし、当の事業者は考えもしなかったそうだ。
この事業者は主に中古車を販売しており、整備作業は車検とクイックのみ。
・常時展示している中古車は約20台とそんなに多くない。
・展示場のうしろにお客様駐車場。
・そこの奥に整備工場兼事務所。
・展示場の先端中央位置にはいつも目を引く様々な車。
この時は、売約済みで800万円ほどの希少車両を展示していた。
売れた車をそこに置いたらだめでしょ、って。
飛び込んできた車で発生した損害は、売約済み車と他3台。
人的被害はなく、幸いにも事故相手は任意保険に加入しており(任意保険の加入率を75%と考えれば3/4の確率)売約済み車以外の3台はスムーズに協定出来た。
売約済みの希少車両だけが折り合わず、ダメもとで契約者に「完全に修理し、値引きもするので登録して納めさせてほしい」とお願いした。
しかし、「契約したのは事故車(それくらいひどい)ではない」 といわれて
キャンセル! まあ、もっともといえばもっとも。
契約は済んでいても、『架装、納車、登録』 ( 中古車販売にもクーリングオフ制度が適用されないのでこの3つは契約のボーダーライン ) のいずれもが行われていない。
購入者に落ち度はなく、今後の付き合いもあり、キャンセルは飲まざるを得ない。
とはいえ、事故車となった超希少車は評価も落ち、表示価格での販売は見込めないので相手保険会社にはもう少し食い下がった。
・販売条件での購入を打診・・・ダメ。
・修理後の評価損分の負担を打診・・・、これもダメ。
・自社火災保険、盗難保険での適用も聞いたが対象外。
・こうなったら加害者に請求・・・これもダメ。
・結局、修理費用のみ
(原状復帰が基本原則なので理解はできるが納得は出来ない)
『若干(金額不明)の評価損』分が支払われたとかなり経って(どこかで妥協した?)から教えてもらった。
聞いた話とはいえ、評価損が新車納車後すぐの事故でなくても勘案してもらえることもあるということがわかったのは、ほんの少し勉強になった。
保険に加入する際は、盗難保険以外にもこんな例を含めた火災保険の特約(飛来物は特約ではない?)も担保されたらいいのに。
とはいえ、飛び込んできた車が保険未加入だったら・・・目も当てられない。
そういう意味ではまだマシか。
耳に入った同様の事例は他に3件ある。
しかし、相手保険で全額支払われたり、大手販売店で顧問の専門職がいる事業者などから連絡や相談の必要はないので実際はもっと多いと思う。