整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

他社と同じ保証を継続

   

    比較的新しい中古車を販売したときには新車の保証がそのまま継続出来る(と思っている)ので、ユーザーには努めて保証継承するようにいう。

    もちろん保証を継続するには条件があり、ある程度の費用はかかるが、やはり安心出来る(ユーザーも私らも)というのもある。

 

    どこのメーカーの車も指定の点検や法定点検等が一定の条件だ。

    メーカー推奨の点検と法定点検を実施すれば一石二鳥だ。

 

    ところが、あるメーカーは初めての検査時に点検を実施しても保証延長出来ない。

    取次販売店が行う場合のみ保証継承が出来る有効な点検としている。

 

    他メーカーで出来るものがなぜこのメーカーの車が出来ないのか。どうしても納得できない、という相談が事業者からあった。。

   

   ・・・何の話だ?

 申し訳ないがその販売店と話をしてほしい。

    販売店はメーカーとの契約でルールを遵守しているだけではないか?

    ひょっとしたら、販売店契約の中にも入っているかもしれない。

 

    契約内容はわからないが、他メーカー、他ディーラーと同じ対応をしないからといって、そのメーカーに同じ保証継承を要求するのはかなり無理があるように思う。

 

    会社同士の契約や規約に関することは答えようがない、というと「その販売店と話しをするためコンタクトを取ろうとしたが、用件がわかっているからか相手にされない。そういった対応にも腹が立ってしかたがない」と。

 

 たぶん、販売店にもどうすることも出来ないものと思う。

    どうしても納得できないのならメーカーからディーラー権を取得してその販売店と同じ立ち位置に立つかしないのではないか?というと、「もうこのメーカーのクルマは売らん!」と騒ぎ始めた。

 

    いくら騒いでも…。

    で、私にどうせよと?

 

    「我々の行う点検を保証継承出来る点検として認めるよう強く働きかけてほしい」といった。

    この場合、同業者の揉めごとに発展する可能性もあり、『利害相反』を持ち出して説明し、私には何も出来ないといって丁寧に謝り、お断りしてこの話を終えた。

 

    苦情はなんでも聞くが、自己の都合、自己の要求だけをゴリ押しするような話はさすがに聞けない。