整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

修理後、ガソリン臭が…

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 高速道でエンジンが止まった。
 再始動は出来たがすぐに止まるので保険会社に連絡し、レッカーの救助を待った。

 

 車は、提携整備工場(提携しているのが保険会社なのかレッカー会社なのかは不明)に搬入され、原因が燃料ポンプだといわれたのでポンプを交換してもらった。
 ところが走行中にガソリン臭がし始めて再びレッカーを呼んだところ、レッカー会社は「ガスケットを再使用したようでそこからガソリンが漏れている」と言って、このレッカー会社が新品のガスケットに交換した。

 

 しかし、ガソリン臭はその後も消えず、再々度レッカー会社に車を取りに来てもらったが、レッカー会社は「自社では手に負えない」と、当初修理してくれた整備工場に再入庫・再修理となった。

 

 ユーザーは「修理後にガソリン臭がするという恐怖を味わった。整備工場に損害賠償を求めたい」という。

 燃料ポンプを交換したという整備事業者に連絡してもいいといわれたので連絡してみた。

 以下事業者の説明。

 

 レッカー会社は保険会社の指定会社らしく、レッカーの利用は無償だが修理は有償になる。
 原因はポンプが動いたり動かなかったりという状況だったのでまずは安価なリレーを交換してみた。しかし、症状に変化はなくポンプの交換を見積もった。

 

 ところが「出来るだけ安くしてほしい」というユーザーの意向が保険会社からレッカー会社にあり(ちょっと考えられない)レッカー会社から弊社にその旨、連絡があった。

 そこで中古部品の使用をレッカー会社に提案し、その現物を提示して交換した。

 

 その際、ポンプは中古でもガスケットは新品にした方がいいと言ったがあえて(ガスケットも)中古を使用してといったのはレッカー会社。
 弊社が作業した後、「ガソリン臭がする」とユーザーから苦情を受けて新品ガスケットに交換したのもこのレッカー会社。

 

 一度目は弊社が作業を行ったが二度目は関係ない。しかも弊社に再入庫してきたときは、新品ガスケットが正しく取り付けられていなかった。

 

 弊社は最善の方法をレッカー会社に提案し、納得していただいた上で作業を行った。
 作業に問題があるとすれば、燃料を満タンにして漏れの確認をしていなかったことくらい。ちなみに弊社が一回目に作業を行った後も確かにガソリンの残り香はしていた。


 おかしいと思うのは、ユーザーが弊社に直接苦情を訴えてくること。
 しかも常軌を逸した苦情の言い方で精神的に参っている。ユーザーにはポンプの代金はもういらないといって弊社で負担した。
 この客と関わりたくない、と。

 

きは以下で

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