整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

急ブレーキでストラットが…曲がらん!

 

    5月に平成12年式の軽自動車を購入したユーザー。

    同年10月、購入後半年も経たずして「急ブレーキを踏んだらストラットが曲がり、ステアリングが15°位切った状態に変形してまっすぐ走らなくなった」と。

 

    ↑  それは・・・いくらなんでも無理がある

 

    購入した店に苦情を言ったが「急ブレーキだけでそんなことが起こるはずない」と、取り合ってくれない。

 

      ↑      まあ、普通そういうでしょ。

 

    縁石乗り上げや側溝落としなども含め、事故は起こしていないというから販売店にも話を聞いてみる。

  

    販売店には販売した時の走行距離からあとに行ったすべての作業の履歴(大したことはしてない)が保存されており、ユーザーの言うことと差はない。

 

    ただ、今回の、『急ブレーキでストラットが変形した』ということについて、ユーザーが15°といっているのに販売店は90°だといっている。(ということは真横?)

    また、販売店は、縁石乗り上げや側溝に落としてつく傷ではない傷があるとも。

 

      ↑  このぼやかしかたはいい

   

     それらのことから販売店が導き出したのは、『当て逃げされたのではないか』 だ。

   

    ただ、証拠がない。

    だから口に出しにくい。

 

    ユーザーは急ブレーキで気づいたというが、とても走れる状態ではない。

    それで本当に気がついたというのなら急ブレーキを原因にしたいだけ。

 要は、無償修理の強要ではないかと思われる。

 

    いずれにしろ、販売店としては、外的要因が認められるのに補償の話にはならない、ということ。

 

    販売店はユーザーにその説明を散々したようだが、ユーザーは、あくまでも車の欠陥を言い立てて話がまとまらない。

   

    修理箇所に関する苦情なら事業者でいいが、クルマの欠陥を言うなら相手はメーカーになる。しかも、その立証はユーザー側だ。 

    新車でも難しいのに、中古車でメーカーの保証を求めるのは厳しいと思う。

 大体、何人のユーザーをわかり歩いてきた車か。そこから調べないといけない。

 

    それにしても外的要因が認められた(販売店は当て逃げと言うが)というが、ストラットを90°もねじ曲げる外的要因て、どんな当たりか?むしろそちらが気になる。

 平成12年式の軽自動車ならボールジョイントでも抜けたのだろうか?

 それなら販売店も見ればわかるか。一体なんなんだろ

 

    ユーザーには中古車の補償について、販売時に交わした契約書をもとに販売店と相談し、壊れた部品をリサイクル品を使うとかしていくらかでも安価に仕上げてもらうのはどうか?と提案をしたが、まだ「欠陥を認めさせて、云々…」という話で説明が繰り返されたので・・・

 

もう書くのもめんどくさくなった(笑)今度は新車にしなさい!と心の中で叫び、以下

 割愛(笑)

 

 それにしてもどこまでが本当でどこから盛っているのかさっぱりわからない。

 事業者側にもっとしっかり聞いておけばよかった。

 

 後日確認すると、最終的に訴えられたとか修理の無理強いもなかったということだった。それもそうか(笑)