整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

相続者からの理不尽

 

    先代社長の時から付き合いのある年配のユーザーが、10月に店頭に並べていた軽自動車(諸費用込36万円なので大体どんな車かわかると思う)を購入してくれた。

   

    翌年3月、その車に乗って見知らぬ人が「エンジン音が大きい」と苦情を言ってきた、という事業者からの相談。

 

    確かにエンジン音は少し大きいようのも思われたが、経年でこれくらいなら出るレベル。オイル交換や添加剤の注入で消えるかもしれないレベルではないかと思った。   

    その前にあなたは、誰?

 

 聞くと、10月に車を購入した年配のユーザーの息子だだという。

 購入した年配のユーザーが亡くなったらしく、車を相続したのだとか。

 

    で、相続した車のエンジン音が気になり、販売店に持ち込んだところ、「エンジンが使い物にならない。こんな車を販売するのはおかしい」と言われたらしく、その一言からこの苦情につながった、と。 

  

   とりあえず(高い)添加剤を注入してみた。すると音が消えた。 

 これで大丈夫だと思ったのだが、ユーザーはこの対応が気に入らなかったようで「まやかしの添加剤で音を誤魔化した」と怒る始末。

 

    「だいたい自分に何も言わず、亡くなった親父を騙して高額なクルマを売りつけた!」とわけのわからないことを言い始め、毎日のように電話をかけてきて、なぜか「金を返せ」という要求に変わっていった。

 

 

    あまりにしつこいので「買い取る」方向で譲歩し、話を詰めようと15万円を提示したが気に入らない。

 「諸費用込の36万円、全額返せ」と。

  

    亡くなった好々爺の親父さんとは懇意だったから「保証なし現状販売」を口頭で約束し、販売契約書は作っていなかった。

 また、苦情を言ってきている人が本当に息子かどうか、また、本当に相続しているかどうかは確認していない。

 「どうしたらいいか」という相談。

 

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(以前掲載したものを再編したものです)

 

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