整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

思いもしない手続き

 

 平成27年に新車で購入した車の、初めての車検。

 検査更新手続きに陸運事務所に行ったところ、窓口で「この車は廃車されています」というわけのわからないことを言われた。

  

 確認してもらったら、甲信越地方の陸運事務所で廃車手続きされているという。

 

 毎日車に乗っているのに?

 県内からただの一度も出たことがないのに?

 そんなばかなことはない。

 

 

 

 その場からリサイクルセンターに問い合わせたところ、「廃車手続きを行った事業者に言ってくれ」という。

 

 はぁ?何を言ってるんだ?

 だいたい、どこなんだそれは!

 

 検査を受けに来てなぜこんなわけのわからんことをしないといけないのだ?

 いずれにしろリサイクルセンターではどうにも出来ないことらしい。

 

 そこで廃車手続きをした事業者の連絡先を聞くため、先方の陸運事務所に理由を説明して問い合わせた。

 

 そこは意外とすんなり教えてくれたので早速連絡してみると・・・。

 

 電話に出た人は外国人のようだった。

 丁寧に、「こちらの車が貴社の手続きミスで廃車になってしまっている。すぐに手続きをし直してくれ」等々の話をするが聞いているのかいないのか、だんだんイライラしてきて説明に力がこもってきた。

 

 しかし、先方はさっぱり要領を得ない。

 それどころか一生懸命説明したのに、結局たどたどしい日本語で「ナニイッテル?ワカラナイ。アナタイマイソガシ」といきなり電話を切っれた。

 

 お~い!

 

 その後、何度も電話をするが、電話にでない。

 電話を取っても切られてしまう。

 とにかく遠方なので電話以外のことができない。

 

 本日納車予定とユーザーに伝えているのになんてこと。

 

 フレームナンバーの石刷りと書類を突合せたりせず、単に番号を入力するだけで廃車できてしまうようなシステムだからこんなことが発生するんだ!と、言いつつも怒りの持っていき場所がない。

 

 リサイクルセンターに苦情を言っても実際に車体番号と入力が合致しているかどうかは申請者が行うことだと。

 

 今はそんなことを聞いている場合ではない。

 更新手続きが行えないとユーザーに車を引き渡せない。

 

 コンタクトセンターは「元に戻すには確認等もあり通常で2~3週間かかる」とのこと。

 

 マジか・・・

 

 結局、ユーザーに連絡して事情を説明して納得してもらった(もちろん当社には何のミスもないので意味が分からん)上で代車を出し、元に戻せることにはなったが、とんでもないトラブルだ。

 

 気をつけよう、という話ではない。

 どうにも出来ないのだから。