整備士が知らない…かもしれない整備工場の苦情相談担当者の『ひ・と・り・ご・と』

整備士が整備工場で勉強しようと思っても出来ない整備に関わるユーザーからの苦情、整備工場からの相談を綴ります。法律的なところは専門家ではないので鵜呑みにせず参考程度に。古い話で記憶もあやふやですが自分の笑える失敗話や整備の話もほんの少し。依頼があれば事例内容を紹介する講習会もやります。実例を知ってトラブルを防止しましょう。

対物超過の利用条件

 
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    事業者からの問い合わせ。

 今まで事故をしたことがない20年以上も弊社と付き合いのあるユーザーAが、事故に巻き込まれた。  

 事故の形態は、相手Bが右折する際に直進で対向するAとオフセット衝突したもの。

    相手Bは高齢の男性で車は大型乗用車。

  

 現場検証のあと、Bの車は普段Bが利用している整備事業者まで自走し、Aの車は弊社が引取に行った。

  Aの車の損害は廃車を思わせるほど酷かったが幸い、双方にけがはなかった。

 

 Bは自分の非が大きいことを認めていたようで、現場でAに「すぐ、修理にかかってもらっていい」といったらしい。

 このあたり、Bが年配で物事に長けているとはいえやはり慣れていない。

 現場でこの手の話をしてあとで『言った』『言っていない』で揉める素人は少なくない。

    弊社はAに「その話は鵜呑みにせず、過失割合があるはずなので保険会社からの連絡を待ちましょう」と伝えた。 

 

 一応、過失割合は相手のBが9でAは1。

 やはり圧倒的に非は相手にあり、保険会社から弊社に「見積もりの提示を」との連絡があった。

 

    車が古いのでAには乗り換えも薦めたが、「修理出来るものなら修理して乗り続けたい」とのこと。

 ただ、車両評価額を超える見積もり金額になることは明白なので相手の『対物超過特約』の付帯を確認した。

 保険は付帯させていたので保険会社に写真と見積り額(30万円以下なので立ち合いなし)を提示し、作業を開始した。

 

 ところがその日の夜、弊社ユーザー宅に事故相手のBから電話連絡があり、「対物超過特約を使うことには了承するが、過失割合は7:3で和解契約書を作成したい」という趣旨の電話があったという。

 

 Aには過失割合の意味がわからないので「自動車屋(弊社)に聞いて明日、折り返し連絡する」といって、上記の連絡となったわけだが、これはどういうことだ?

 

 

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